2017年08月27日

手作り浄化槽の先に

ここではエコライフのひとつの課題として汚水の処理に取り組んでいます。
個液分離型のバイオトイレに加えて生活雑俳水の排水も大きなテーマ。
ここは下水施設がなく、法的には垂れ流しが可能なエリアですが、
エコライフを標榜している以上、何か努力したいということで、
生ゴミはできるだけコンポストにし、使った食器の油汚れを紙で拭いたり、
洗剤を工夫したりしているところです。

一方で「自然のキャパシティ内で処理できる」「紙の方がよっぽど無駄」
という声もあり、環境負荷を測定する難しさも感じています。
もしかしたら自己満足かもしれない。
環境負荷を測るファクターはいくつもあるし、単純ではないのです。

環境負荷も少なく、かつ気持ちよく美味しい暮らしを実現したいと、
日本工業大学の樋口チームとともに、エコロジカルな
手作り浄化槽を試験しているところです。
樋口先生.jpg

昨年夏に製作した浄化槽はオガ屑や籾殻薫炭など、
身近に手に入れることのできる資材を使って
ゼミの学生たちが中心になって製作しました。
均等に排水を点滴させるのが難しかったため、
いくつか試作を重ねましたが、最終的に学生の案が採用されました。

その後、3回に渡って水質検査をしたところ、
アンモニアや窒素、CODなどいくつかの項目で
目覚しい効果が発見されました。
基材に生息する微生物が約8~9割の有機物を除去することがわかったのです。

今回は4回目の測定で、1年経過してどの程度の機能が発揮されるのかを
検証しようとしました。
驚いたことに、過去3回とまるで逆の成果が出ました。
そこからいろいろなディスカッションが生まれました。

パックテスト.jpg

容疑者は前日使ったシャンプーやリンス、化粧品。
慌ててどんな成分が含まれているか調べると、聞いたこともない
名前の化合合成物がずらっと並んでいます。
これらが微生物の活性に影響を与えたのではないか。

結果は検査機関に委ねることにしましたが、
このことをきっかけにいろいろな議論がされました。
「普段暮らしの中で自分が取り入れているもの、そして
出しているものについてきちんと考えたことがなかった」
「知らない間に生物や環境に影響を与えているかもしれないし、
自分の身体にも影響が出ているかもしれない」
パックテスト2.jpg

大切なことは「何を食べるか使うか」について、
〇×のリストを暗記することではありません。
「自分の暮らしが何かに影響を与えているかもしれないこと」
その事実を深く認識することです。

生ゴミでコンポストをつくるようになると、
プラスチック類はもちろん、分解に時間のかかるものは
入れないように気を遣い始めます。
「これはちゃんと分解できるかな」と。
ゴミを捨てるというよりも、まるでペットに餌を与えるような感覚に似ています。

自分が普段食べているものや排出しているものと、
そこからつながっている目に見えないもの、さらには
世界の裏側の人たちに思いを馳せられるようになりたい、と思います。










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2017年08月13日

家内制手工業から産業革命

昨年秋に蒔いた「きたほなみ」
ワインとチーズで盛り上がったら次はパンでしょ、
というノリでいつものように軽く始めたことです。

子どもたちと一緒に種まき、麦踏み、
すくすくと育ったはいいけれど、
「赤カビは毒」と聞いてひと騒ぎ。
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しかも、コメは作ったことがあっても麦は初めて。
いつものように「何とかなるさ」と思っていたら
「え、お米と同じようにハサがけすればいいんじゃないの?」
「コメの籾摺り機は使えないの?」
ということの連発。

こんなときに、農業分野の友人が数いるのは私の強み。
あちこち写真を送ったり、検体を見てもらい、
病気も何とか大丈夫そう、(雑菌はついている)
乾燥もそこそこいってるからそのまま脱穀してしまおう、
ということになりました。
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あとは得意の人海戦術です。
フランス人、台湾人、中国人を含む国際的な顔ぶれで
少しずつ手作業で刈り取り、脱穀、
玉ねぎネットで乾燥しました。

全体の3分の1くらい刈ったところで、一旦ゴミを取り除き、
どのくらいの量が収穫できるのか計ってみようと試みました。
久しぶりに登場した唐箕がなかなかうまくいかない。
これなら団扇で扇いだほうがマシという状況。
唐箕①.jpg
う~ん、これを全部団扇で飛ばすの?万事休すかと思ったときに、
滝川の友人がミニダップなる文明の利器を持って現れました。
小さな機械ですが、人力よりははるかに早い。
約40キロの小麦が採れました。
籾摺り.jpg
とりあえず今日のところはこれで十分かと思いきや、
「コーヒーミルで挽けるぞ」と言われ、
若者チームがミルで約400グラムの粉をひきました。

ここまできたらもちろんパンケーキでしょう。
見た目は少し黒っぽく、ちょっとざらっとした食感ですが、
思いのほか、素朴で美味しい!
パンケーキ.jpg

自給目的の穀類栽培のハードルはこの脱穀、製粉のプロセスです。
お米のときも痛感しましたが、小麦は小規模栽培の経験がない分
情報も道具もずっと少ないため、一層難しいことがわかりました。

「人類が穀類をどのようにおいしく食べるか
(または消化を良くして食べるか)を工夫し続けた日々が
確実にあったと実感した」
「最初から最後まで全部見て直に体験することができて面白かった」
というスタッフの言葉に現れているように、
多様な気づきや学びのチャンスだと思います。

スピード・効率第一の現代社会で、
こんな効率の悪いことやる人も少ないでしょう。
あるいは、真剣に自給しようと思ったら、
もっと他の方法があるかもしれません。

答えもプロセスもひとつではないのです。
それを仲間と一緒に考え、探ることが最も大切なことだと感じています。
posted by junka at 18:13| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2017年07月30日

子どもたちに伝えたいこと

今年も猛暑とともに子どもたちがやってきました。
畑ににぎやかな声が飛び交い、焚き火でパンを焼く姿はエコビレッジの夏のワンシーンです。
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子どもたちと一緒に野菜や果物を収穫したり、鶏小屋から卵をとってきてそれらを調理したり、食べることを中心に時間が過ぎていきます。
イタドリを刈って羊に食べさせたり、茎にパン生地をまいてパンを焼くのも人気のプログラムです。
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普段の生活ではやらないようなことを特別にするのではなく、できれば日頃私たちが暮らしの中で大切にしていること、ルーティンとしてやっていることを、自然な形でシェアし、それが子どもたちの気づきになったり、よい思い出になったらいいなと思っています。
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私たちはプロの農家でもないし、余市に古くから住む地元住民でもない。家族でもなく、会社でもない。
そんな私たちが彼らに伝えたいことは「農業の重要さ」や「生命の大切さ」というよりも、「いろいろな生き方、多様な考え方」があるのだということ、「みんなでやったら楽しい」を実感することでしょうか。
そんな小さな経験の積み重ねが、豊かな人生を築く基礎になってくれると信じています。
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posted by junka at 21:35| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする