2016年09月17日

ある日の日記から

先日、2009年夏に書いた日記を発見しました。
5年後のある日の自分を想像しながら書いた日記です。
久しぶりに読んでみると、その想像がなかなかいい感じで
実現しているではありませんか。
ちょっと嬉しくなったので、公開します。

2015年夏の終わりのある日の日記から
2009.7 坂本純科

 今朝は6時前から猫に起こされた。
餌をやってからもう一度目覚ましがなるまで寝てもよかったが、
あまりに天気がいいので外に出た。朝の空気が清々しい。
ミントを摘んで部屋へ戻りお茶を入れる。
朝はバッハだ。音楽を聴きながら気持ちよくお茶をすすっていると、
早起きの子どもたちが鶏小屋で騒ぐ声が遠くで聞こえた。
そうか、今日はひよこの来る日だ。

 畑へ行ってみるとすでにTさんがとうきびの箱詰めをしていた。
Tさんは今日から1週間の休暇をとって沖縄へ行くのだ。
いいなあ。1週間の仕事リストをひとつずつ説明してもらう。
ふむふむ、一番の重労働は芋の収穫だ。
週末は子どもたちの芋ほり体験のイベントもあるが、その前に大雨が来そうだ。
それまでに大方は片付けてしまわなければならないだろう。

 Tさんと今年の出来について話し込んでいるうちに8時を回ってしまった。
コモンハウスでは朝ごはんが始まっているようだったが、
今日は朝から役場で会議があって資料もまだプリントしていない。
後ろ髪引かれる思いで朝ごはんはパスすることにして部屋に戻り、
今採ってきたトマトをほおばりながら資料の準備をする。

 役場の会議にはRさんも来ていた。
今年は小麦も米もとてもいい出来だと言う。
農政課長の話は相変わらずつまらなかったが、
今年のファーマーズマーケットのチラシを配れたのでよしとしよう。
役場も農協も会議のときだけのつきあいだが、
一応フレンドリーな関係を保っている。
会議が終わるとRさんがアースオーブンを見たいというのでランチに誘った。
コモンハウスはちょうどにぎわい始めているに違いない。

 案の定、新しいオーブンで焼いたピザに行列ができていた。
テラスのテーブルにすわり、にんじんのサラダとコーンスープを
食べながらピザを待つ。土釜のピザはやっぱり絶品だ。
お腹はいっぱいになったが、デザートに出てきた
Kちゃんのスコーンは私の大のお気に入り。
これはパスするわけにはいかない。
Rさんがコーヒーを飲みたいというので、スコーンは持ち帰り、
続きは私の部屋へ行って話すことにした。

 2杯目のコーヒーを入れようとしているところに
Mさんから電話。あ、しまった、外国人ゲストが到着する時間だった。
あわててRさんを見送り、千歳空港からのご一行様を迎える支度をする。
今回は主にカナダから来た6人。やる気もありそうで、期待大だ。
彼らは2週間ステイして、Tさんのいない畑を手伝ってくれることになっている。
1人は料理を学びたいというのでキッチンチームに預けることにした。

 若者たちは到着早々おいしいランチで満腹に。
ほとんど休む暇もなくビレッジツアーに出た。
「ここが洗濯室。ここがシャワー室。シャワーはいつでも使えるけど、
一人があまり長く使うと次の人のお湯が出なくなるから気をつけてね。
それに月・水・金の夕方6時には温泉号が出るの。
温泉、一度はトライしたほうがいいよ。すっごく気持ちいいから」
女の子2人は挑戦すると意欲満々。

 本当は到着初日はリラックス日なのだが、
外人部隊は若くて元気そうだったのでさっそく芋掘りを手伝ってもらうことにした。
天気のいいタイミングにやってしまうに限ると思ったからだ。
予想どおりパワフルなチームで、3時間で1日分の収穫ができた。
よかった。よかった。

 ディナーはゲストのウェルカムパーティーも兼ねてバーベキューだ。
札幌の通勤組はまだ帰っていないが、近所の人たちもやってきたし、
何よりお腹のすいた子どもたちが騒ぐので、明るいうちから始めることにした。

カナダ人たちは半分がベジタリアンで、ジンギスカンは駄目だったが、
甘いトウキビとベジバーガーに大喜びしていた。
大きなジョッキでビールをがぶがぶ飲んでいる。
こっちはMさんに相手をさせることにして、私は近所の農家さんと
今年の実りのことや中古のトラクターの話をしていた。
今年は天気がよくて収穫はよかったが、売値は下がったそうだ。
実っても実らなくても儲からないなんてまったく切ない話だ。

 札幌組が次々に帰宅してきたので、私は場所を譲り、
部屋に戻ることにした。猫が心配だったし、今日はすっかり疲れてしまった。
帰り道、星があまりにきれいで思わず立ち止まってしばし眺める。
明日は天気がよさそうだ。
助っ人も現れたし、雨が来るまえに残りの芋もほりあげることができるだろう。


posted by junka at 21:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

子どもたちとともに成長するビレッジ

北海道の早い夏休みが終わりました。
(関東育ちの私には、どうも8月半ばに夏休みが終わるというのに違和感を覚えますが)
やまと.jpg

今夏もたくさんの子どもたちがやってきました。
小学生、中学生、高校生、大学生、異年齢異年代の集団と
日々過ごしながら、彼らの成長とともに、
自分たちも学んでいることを感じます。
棒パン.jpg

昨年はプログラムや食事などを「提供」する役割意識が強く、
とにかく計画をきちんと実行すること、事故や失敗が
ないようにというプレッシャーが大きくて、
「一緒につくっている」「共に暮らしている」という感覚が
欠けていたように思います。

もちろん、子どもたちを預かるのですから
大きな責任があるのは間違いないし、しっかり計画したり
準備したりするのは言うまでもありませんが、
できれば特別なことをせず、日頃のここの暮らしを
そのまま体験して何かを得ていってほしい。
ラジオ体操.JPG

擬似コミュニティではあるけれど、多様な人々が集って
労働をシェアしたり、大勢で食卓をにぎやかに囲む暮らし、
スーパーで手に入れていたものを見直し、
自分たちの身の回りのものがどのように作られているのかに
思いを馳せてほしい、そう願っています。
女子チーム.JPG

今年は山の家「きょうどう」に滞在している
ハンディを持った子どもたちも参加してくれました。
最初は少し緊張しましたが、ひとり一人の個性がわかると、
むしろ集団の多様性が面白く、魅力的に感じました。

子ども同士、ボランティアやビジター同士も補完し合って
自然なサポート環境が育っていくことを実感し、
この子たちが自分たちの成長を助けてくれていると思うと
彼らに感謝の気持ちが沸いてきました。

りんたろう.jpg

「エコビレッジに住みたい」と言ってくれた子どもたちもいました。
ありがとう。みんなが住みたい、一緒につくっていけるような
そんなビレッジに育てていきたいと思います。
posted by junka at 15:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月20日

ハル農園リフォーム計画(除草問題)

有機農家の大きな課題のひとつは除草。
毎日が草との戦いと言っても過言ではありません。
羊.jpg

ビジターの多い夏は、1週間くらい畑を放っていると、
あっという間に草ぼうぼう。

かつて、除草剤が出回りだした頃、農家の女性が
「魔法の薬」と喜んだと聞きましたが、そのときの
感激は想像できます。
除草.jpg
ハル農園では薬の代わりにたくさんの人がその作業を担います。
外国人ボラをはじめ、修学旅行の高校生も夏休みの親子も。
中には「ああ、ストレス発散になった〜」と喜ぶ方もいますが、
さすがに厳しい暑さの中ではくじけることもあります。
複数のボランティアが扱うため、刈払い機などの機械の使い方や
ずさんになりがちなメンテナンスも大きな問題。
機械類の維持管理や安全指導の仕組みを模索するとともに
用務員さんを急募しています。
IMG_0700.JPG

ノラモア.JPG

リフォーム計画では機械も最小限にしようと、
素人が除草しやすい基盤整備と動物の導入を検討中です。
今年は借り物の羊たちですが、子どもたちにも大人気。
活躍を期待しています。
羊と.JPG

ここの強みを活かし、弱みを克服しながら
農園がより多くの人たちの学びの場になるよう、
知恵を絞っているところです。
posted by junka at 21:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする