2017年01月15日

新春の抱負

新年そうそう体調を崩して、未だにエンジンがフル回転していません。
おまけに外は記録的な寒さと雪。
こんなときは焦って動かず、じっくり考えたり、
語ったりする時間に当てるに限ります。

改めて考えると、余市も早いもので今年で6年目を迎えます。
昨年はどんな時でも頼りになる地域の仲間とスタッフに
恵まれたことが何よりの収穫でした。

最近では古参の農家や事業者などとも関係が築かれつつあり、
ここの活動も認知度が広がりました。
新年度も、地域メンバー、インターンやボランティアを中心に、
多様な人びとの出会いが期待されます。

一方、国の事業評価や建物建設の借入れ返済などが始まり、
成果や収益を意識することが多くなりました。
特に、ビジターが切れ間ないハイシーズンは、
大切な暮らしがおざなりになる危険を感じています。

多様な参加や活動は望むところですが、いろいろある中で
「一番コアな価値な何か」「今は何を大切にして、何を妥協するか」
「最終的にはどこを目指すのか」という問いかけと共有が常に大切です。

それがないと、内部からも外部からも
「盛り上がっているようだけど何をやっているのかよくわからない」
ということになりかねません。
新年度を迎えるに当たって、そんな議論を会員さんやスタッフと
していこうと思っています。

個人的には終始して「エコ」と「ビレッジ(コミュニティ)」
「個人の暮らし」と「地域社会」の両方がテーマと思っています。
二つのうち、どちらが欠けても「持続可能な未来」はないからです。

「暮らし」に集中できないときは「仲間」に頼ってもいい。
たとえば昨年は予想外に梅が豊作。しかも天気は最高。
でも同時に子どもの大グループ。
惜しいけど今は無理だなあ…と迷っていたとき
「持っていらっしゃい。漬けてあげるから」と言われ、
ボランティアの一人と1時間だけ梅を収穫して樽ごと預けました。
結果的に素晴らしく美味しい梅漬けを一年中味わっています。

また、昨年はペーパーワークに忙殺されて「農的」とは
程遠い自分の暮らしの有り様に落ち込むこともたびたびでした。
これは永遠の課題でしょうね。

実は、自分ひとりの暮らしなら、気楽なフリーランスでも十分です。
おかげさまで「エコ」と「コミュニティ」という
テーマ以外の「稼ぎ」はしなくてもよくなりました。
でも真剣にここを「ビレッジに育てたい」と思えば、
そのためには「ここにいたい。新しい生き方働き方に挑戦したい」
という若者の収入の道を作るのに、今のところ助成金や借入れも
止むなしという状況です。

50歳の年を迎え、数々のジレンマも抱えながら、清濁合わせ飲んで
「ビレッジ」を創っていこうという覚悟ができました。
遠くの理想を見つめながら茨の道を歩んでいこうと思います。
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2016年12月25日

自然とともに生きる

12月からドカ雪の続く北海道。
朝起きて雪深さに途方にくれることもある。
南国の人たちから見たら、何と「無駄なエネルギー」だろうか。
KIMG0681.JPG
先日は何十年かぶりにチセヌプリに登った。
世間は交通マヒで大騒ぎする中、呑気と叱られるかもしれないが、
重たい雪にうもれ、吹雪に吹かれながらスノーシューで歩く
道のりは決して呑気なものではなかった。

頂上付近は風が強く見通しが悪く、斜面は凍ってガリガリ、
ベテランガイドが一緒だったので心配はしていなかったが、
素人はこうやって遭難するんだろうなあと想像される。

それでも樹氷の美しさに感動し、
自然の荘厳さ、恐ろしさをひしひしと感じる感覚は
山に夢中になった若い頃と変わらず、とても新鮮だった。
ニセコ.jpg
自分は何でもできると思っていた若い頃の傲慢な自分に、
ほんの少しの風や雨で不安を覚え、圧倒的な自然の偉大さの前で
人間がちっぽけな存在になる経験は、
否応なしに謙虚さを教えてくれる貴重な機会だった。

ピークハンターと呼ばれる人たちは、
その自然を征服する対象として見るのかもしれないが
幸か不幸か体力のない私はハンターにはなれず、
謙虚にならざるを得なかった。

そして、ピークを踏む達成感が絶対だった10代から、
経験を経るごとに次第にプロセスに満足するようになり、
自然の中にいることそのものが楽しいと思えるようになった。
ニセコ2.jpg
農業にも同じ感覚がある。
どんなに努力しても、徹夜で頑張っても
生命は一晩で成長したりしない。
雨も太陽も「ありがとうございます」と拝む日もあれば
「勘弁してください」と頭を垂れる対象にもなる。
この雪があってこそ、水と緑の豊かな北海道が形成されているのだ。

昨今では雲を作って雨を降らせるような研究事例もないではないが、
「人事を尽くして天命を待つ」という心境を感じる場面が
人間は必要ではないだろうか。

大雪で今夜は家に入れないかもしれないと思って帰宅したら、
仲間の農家が大型除雪機できれいに雪かきをしてくれていた。
地獄で仏とはこのことだ。
クリスマスには今年活躍してくれた学生たちが集まり、
除雪や屋根の雪下ろしに汗をかいてくれた。
KIMG0684.JPG

都会にいた頃は誰かがやってくれた、お金が解決してくれた、
無駄なエネルギーでしかないと思っていた除雪が田舎では死活問題。
自然厳しい土地だからこそ、仲間の暖かさ、つながりの有り難さが
身にしみるこの頃だ。
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2016年12月19日

余市エコカレッジ最終回

第4回のカレッジの題材はチーズとワイン。
それぞれに今年のHEPPの活動と深い関係があります。

まず今年のチャレンジのひとつが家畜。
草地管理のために導入しましたが、
動物がいるだけで景色が変わり、癒しの空間が生まれました。
子どもたちにも大人気の羊。
金澤さん.jpg
次は飼育も勉強しなくちゃいけないなという反省とともに
もっと積極的に家畜を活用したいという思いから
今回のカレッジではチーズづくりに挑戦。
牛乳を温めるところからモッツァレラチーズが
誕生するまでを体験しました。
チーズづくり4.jpg

そしてワイン。
今年のハル農園とカレッジのメインテーマです。
栽培指導と醸造を引き受けてくれた小西さんをはじめ、
果樹の勉強がしたいと通ってくれた熱心な農業高校生、
除草を手伝ってくれた修学旅行生や外国人ボランティア、
競争して虫を捕ってくれた小学生、
実にたくさんの手が加わって作られたワイン。
この日を迎えられたのは、その人たちのおかげなのです。
淡いオレンジ色のフルーティーな香りと
すっきりと酸味のある辛口に仕上がっていました。
スパークリングの泡も一般には炭酸ガスを注入しますが、
今回は同じ果汁を後から加えることで自然に発泡させたもの。

小西さん曰く「600年前の原始的なワインが目標像」
当時のイタリアに思いを馳せ、
素朴な味とエコロジカルな作り方を目指したそうです。

化学肥料や除草剤、殺菌剤を使わないなどの14項目のうち
今回は「亜硫酸と乾燥酵母を使用した」ため
100点満点ではありませんでしたが、見事80点を獲得。
「これは人手というエコビレッジの強みがあってこその
高得点。こんなワインは他にないんだよ」
と大絶賛をいただきました。

亜硫酸や酵母については、カビなどの雑菌に
負けないようにとの判断から加えたものです。
「来年はもっといいぶどうを作って100点のビオワインを目指したい」
という小西さんに対して、コメンテーターの中根さんからは
ぶどうの味を活かして美味しいワインを作るために、
亜硫酸は決してネガティブなものではないという意見も出ましたが、
600年前のワインを目指すとしたらやはり不要なものとなるのでしょうか。
ワイン乾杯.jpg
その辺りの技術に関して私のコメントはありません。
私的には、関わった人たちの笑顔の積算がすべてです。

今後、試行錯誤しながら「もっとこういうものを作りたい」という
方向性が現れるかもしれませんが、最も強調したいのは
たくさんの人が関われるオープンさ、
自然や仲間に感謝する気持ちのこもったワインだということです。

私は20代にパラグライダーの事故で肝臓破裂という大怪我を経験し、
以来アルコールを受付けない身体になりました。
こんな夜は、さすがにお酒を楽しめない寂しさを
感じずにはいられませんでしたが、
未成年やムスリムの仲間も含め、
お酒の飲めない人たちも一緒に作ったワインです。

小西さんと中根さんの熱いワイン論議を聞きながら、
たくさんの人たちへありがとうと言いたい気持ちでいっぱいでした。



posted by junka at 21:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする