2022年07月29日

オーバーシュート・デー

イギリスの古い友人達から、気温が40℃を超えて、
とても外で過ごせないという知らせが届きました。
イギリスはもともと冷涼で建物の冷房設備が整って
いないため室内環境もひどいようで、みんな悲鳴を
あげています。


猛暑による死者や、山火事などの被害は欧州各地で
報告されており、国連の世界気象機関(WMO)は、
事態はより悪化すると警告しています。

でも、これは対岸の火事ではなく、北海道も
いつそのような環境になるかわかりません。
雪解けが早まるのは歓迎しても、生態系や
一次産業への負の影響は深刻です。

しかも、この現象は私たち人間の行動によって
起こっていることを自覚しなければなりません。

7月28日が、今年の「オーバーシュート・デイ」
(地球の自然予算を使い果たす日)だという発表が
ありました。 https://www.overshootday.org/

オーバーシュート・デーとは、私たち人間の自然に
対する年間の需要が、その年に地球が再生できる
量を上回る日のこと。
つまり、7月28日以降、私たちは借金生活に突入したわけです。

50年前の1971年のオーバーシュート・デーは12月25日
だったという記録もあり、当時は、毎年地球が提供して
くれる範囲でほぼ暮らしていたことがわかります。

私たちは、地球上の有限の資源を無限にあるかのように
消費して、気がつかないうちに「地球1個分を超えた
暮らし」をするようになってしまいました。
そしてそのツケは、返済の当てもなく、未来の世代へ
押し付けられているのです。

環境問題は、もはや私たち市民の意識や暮らしで対応
できるレベルではないという専門家もいます。
「一人でやっても効果は微々たるものだからどうせ
無駄」と諦める人もいるでしょう。

もちろん、国レベルの大規模な構造転換や企業による
技術革新は不可欠です。でも、個人の意識はどうでもいい、
市民は何もしなくていいわけではありません。

マーガレット・ミードの言葉を借りると「思慮深い
献身的な市民の小さな行動が世界を変えられる」こと
を私たちは信じています。
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2022年07月02日

ピースワイン

余市エコビレッジでは、みなさんご存知のとおり、
これまでも約3反のワインブドウを栽培して、毎年
スパークリングワインを委託醸造で生産しています。

今年は、ユナイテッドピープル(福岡)と協働で
さらに2反のブドウを新植、栽培過程に目標100か国
の人たちの参加を得て、平和を訴えるピースワイン
を造るというプロジェクトが立ち上がりました。
DSC_0531.JPG

重機による杭打ち(2).JPG

この春は、突貫工事で基盤整備と杭打ちを行いました。
近隣農家や学生ボランティアの力を借りて石や木の
根っこを除去。きれいに整地された畑にユナイテッド
ピープルとエコビレッジのスタッフや関係者が270本の
苗木を植えました。
登醸造 小西さんによる指導.HEIC

作業風景 (1).HEIC

作業風景 (2).HEIC

中にはアフガニスタンから避難して来た難民家族の
姿もありました。これまでエコビレッジにも多くの
外国人がボランティアとして参画していますが、
アフガニスタンからは初参加です。

長男ジャムシッド君が祖国での体験や、生命をかけて
来日した話には、驚きを隠せませんでしたが、
笑顔で苗を植えている姿を見て、彼らに少しでも
心休まる機会を創ってあげられたことを嬉しく
思いました。
集合写真.HEIC

「多様性」は私たちが大切にするコンセプトであり、
これからの社会の在り方を示すキーワード。
国際平和を願ってスタートしたこのプロジェクトは、
様々な国籍や文化の人たちがぶどうの成長に関わり、
多文化共生を表現しようとするものです。

先日植えたワインブドウは順調に育っています。
この苗が実りワインになるまで、様々な人びとが
余市に足を運び、交流することでしょう。

世界では争いが絶えませんが、小さな出会いや
個人の友情から平和な社会を築いていきたい、
そう願いながらワインの誕生を心待ちにしています。

みなさまも、そんなワインづくりにぜひご参加、
ご協力ください。

posted by junka at 00:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2022年06月01日

修学旅行の高校生と共に考えるSDGs

6月、いよいよハイシーズンの開幕です。

先週は、神奈川県からやってきた修学旅行の高校生
40人を受け入れました。
森プロ_4.jpg
この2年間、(コロナ禍で)再三の中止に泣いた
修学旅行ですが、その間、地域ぐるみでプログラム
開発に注力してきた成果が発揮されました。
DSC_0504.JPG
生徒たちは、エコビレッジで森の多面的機能を実証
するために各種実験を行ったり、海外における森林
問題と私たち日本人の生活との関連を学んだり…。
モイレ海岸のグループは漂着物を収集し、それらが
どこからどうやってきたのか、それぞれの物語を
共有しました。
横須賀海.jpg

さらに、振り返りのワークショップでは、体験を
もとに自分自身の暮らしを見つめ直し、課題解決の
ために個人や地域単位でどのようなことができるか
ディスカッションが行いました。
横須賀海②.jpg

「森の吸水実験では、落ち葉のあるなしの違いに驚いた。
土砂崩れの原因になっているのかなと思った」

「海ゴミの背景を考えたことで、自分の行動を見直そう
と思った」

「実習が多角的な視点で考えさせられるような内容が
多かった。ワークショップは難しかったが力になる
ような経験だった」

「考えることも大切だけど、実行することは難しいと
思った。率先して環境について考えるようにしたい」

「グループの人から自分にはない新しい意見や考え
方を吸収出来て、楽しく積極的に取り組めた」

「お弁当はほとんど地元の食材なのがすごい」

「世界は自分たちから変えていける」

「持続させるには憧れや理想を持つことが大切」
振返り.jpg

次代を担う高校生の前向きな声に、私たちも時間を
かけて準備した甲斐があったと嬉しくなりました。
参加する若者とともに受け入れる地域の側もSDGs
に対する意識を高め、課題解決にチャレンジする
機会として広げていきたいと思います。
posted by junka at 00:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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